十勝海霧そばとAURORA SOBAは全然違う!?

開拓舎の栗田です。前回の「アメリカ蕎麦旅行記(1)」では、蕎麦でアメリカ人を健康にしたい!とアメリカでの蕎麦普及を目指している帯広出身の佐藤さんのお話をご紹介いたしました。佐藤さんはポートランドで日本食レストラン『与作』を経営しており、そこで栗田が見たこと感じたことを中心にお伝えしています。

今回は、佐藤さんの日本食レストランに蕎麦の原料を卸しているウイリアムズさんの農場にお伺いした際のエピソードをお伝えします。

※AURORA SOBA ~『与作』で提供されている蕎麦の名前

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ウイリアムズさんの畑まで北海道人も驚く大移動!

日本食レストラン『与作』の経営者、佐藤さんに招待されアメリカにやって来た大石農産の大石社長と開拓舎の栗田は、小さな集落「リネウス」にあるウイリアムズさんの畑を見に行くことを楽しみにしていました。

予定していた日よりも早く佐藤さんが「天気が良いから今日行きましょう!ご案内しますよ」とおっしゃったので、私達は日程前倒しでウイリアムズさんの畑へ出発することになりました。

私の感覚ではウイリアムズさんの畑までの距離は、開拓舎の製粉工場がある幕別町から開拓舎の蕎麦が作られている大樹町まで(60㎞)ぐらいかな?と思っていたのですが...

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なんと片道約250マイル=約400㎞!!北海道であれば車で片道6~7時間もかかる距離です。「そんな遠いところに行って日帰りできるのか...?」

しかし、そこはアメリカの凄いところ、朝から高速道路を平均時速90マイル=145㎞で移動し、3時間半程度で到着です。こんなドライブは晴れた日じゃないとできませんよね。「天気が良いから今日行きましょう」と急に予定を変更したのは、そんな事情があったのです。

実際、その前日までは、この地域では珍しいほどの暴風雨でした。その影響で、つい数時間前まで数日間も停電していた地域があり、復旧作業のための車両も多く通行しておりました。

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道中は白樺やエゾ松など豊かな自然が......あれ?なんだか見たことがあるような懐かしいような...そう、まるで十勝平野を移動しているような景色でした!

もう少しでアメリカとカナダの国境、というところで道は曲がってウイリアムズさんの畑がある小さな町「リネウス」へ到着しました。ポツポツと見える農家の家や倉庫...集落の雰囲気が開拓舎の蕎麦が作られている大樹町とよく似ています。

ウイリアムズさんの家の前では人懐っこい4匹のワンちゃんが私達を迎えてくれました。

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ウイリアムズさんの蕎麦はビッグサイズ!

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ウイリアムズさんが来日して大石農産と開拓舎を視察して以来、約半年ぶりの再会です。

(→来日の様子は " そば耳通信【その弐】日米ソバ農家のトークは、濃くて深くてアツかった!" でご覧いただけます。)

ちょうど収穫した蕎麦から異物を取り除く作業をしている時期で、早速、選別・乾燥施設などを見学させてもらいました。

ここに、栗田がずっと疑問に思っていたことの答えがありました。

「以前、開拓舎にサンプルとして送られてきたウイリアムズさんの蕎麦は、なぜ大粒で繋がりにくかったのか。」

一昨年の秋、アメリカから佐藤さんを通して開拓舎に届いた蕎麦の実は、十勝海霧そばと比較して実がかなり大きかったのです。実が大きいと味はいいのに、つながらない...。蕎麦は本来、小麦粉などのつなぎを使わなくても、蕎麦だけで十分に「つながる力」を持っています。

開拓舎では、収穫後に蕎麦を大きい順から1、2、3、4、5と5つのサイズに分けています。ウイリアムズさんが収穫した蕎麦の8割は、開拓舎の基準における最大の「1」にあたります(海霧そばの場合は、3~4割しかありません)。

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ウイリアムズさんの話によると、その大粒の蕎麦だけが佐藤さんに納品されていました。大きいほうが良いだろう!という心遣いだったようですが...

蕎麦の実というのは層になっていて中心部分はつながりにくい性質があり、外側は粘りが強く出る性質があります。大粒の蕎麦は、つながりにくい中心部分の比率が大きくなってしまうので、ウイリアムズさんの蕎麦はつながりにくかったのです。

bigsoba2.jpgもちろん畑の環境の違いはあると思いますが、この粒の大きさがつながりにくさのネックになっている気がします。さらにウイリアムズさんの蕎麦は水分が20%と大変高い状態でした。

水分が高すぎるとそば粉を挽く時に目詰まり気味になり、あまりよくありません。日本では14%以下でないと規格に通らないのです。

佐藤さんがアメリカで美味しい蕎麦を展開していくための色々な課題が見えてきました。帰国後も、可能な限り協力していきたいと思います。

ビールをお土産に再びポートランドへ

williambeer.jpgウイリアムズさんの家で食事を頂いた後、帰り際にウイリアムズさんの畑の麦で作られたクラフトビールをお土産として頂きました。結構な量です。

ポートランドはアメリカの中でクラフトビールブームの先駆けとなった州です。地産地消を実行すべく大石社長と三日かけて飲み干しました!といっても、ほぼ栗田が飲んでしまいましたが...。

さて次回は再びポートランドへ。蕎麦をめぐる不思議な縁がありました。

 

アメリカ蕎麦旅行記 目次

アメリカ蕎麦旅行記(1)
アメリカ蕎麦旅行記(2)
アメリカ蕎麦旅行記(3)
アメリカ蕎麦旅行記(4)
アメリカ蕎麦旅行記(5)

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