北の大地からのおたより

挑戦し続ける佐藤さんとポートランドの魅力に触れて


開拓舎の栗田です。2017年の10月末、蕎麦をアメリカに広めたい!と奮闘中の佐藤さんから招待を受けて大石農産の大石社長とともにアメリカに行ってきました。その様子を4回にわたり「アメリカ蕎麦旅行記」としてご紹介してきましたが、素晴らしい旅路にも終わりがあります。最後までお付き合いいただければ幸いです。

前回までの記事はこちら >> アメリカ蕎麦旅行記(1)アメリカ蕎麦旅行記(2)アメリカ蕎麦旅行記(3)アメリカ蕎麦旅行記(4)

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ポートランドの港です。十勝のように広く澄み渡った青空が印象的でした。

夢は叶えるもの、開拓舎も前進します!


satousan0.jpg今回の旅行で特に感銘を受けたのは、ポートランドへ招待してくれた佐藤さんの生き方です。

ポートランドの人、大地、自然を愛しながら「ポートランドに恩返しがしたいんだ」と語る佐藤さんの表情から、熱い気持ちが伝わってきました。

70歳を超えても挑戦し続けている佐藤さんから、熱いパワーをたくさん頂いてきました。佐藤さんは、まさに"レジェンド"です。開拓舎もまた、佐藤さんの頑張りに負けないよう前進していきたいと思います。

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帰国後の翌年2018年、佐藤さんに進捗状況をお聞きしたところ、今年の夏には新しい手打ち蕎麦のメニューを始め、そば粉の生産販売事業もスタートするよう動いているとのことでした。

佐藤さんの夢が実現しようとしていることを実感し、栗田自身も「私もまだまだ頑張らねば!!」と改めて強く思いました。

メイン州ポートランドを訪れたなら...

今回滞在したポートランドは北緯43度、リネウスは北緯45度に位置しています。この北緯43度前後は、美味しいものがたくさん集まるラインと言われています。北海道で言えば帯広・札幌・釧路あたり、ヨーロッパではワインの有名な産地があります。ポートランドの海産物や農産物を食べていると、北緯43度に美味しいものが集まるって本当だなぁ...としみじみ思いました。

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ポートランドというと、札幌の姉妹都市でもあるオレゴン州のポートランドが有名ですが、メイン州のポートランドも本当に良い所です。「もう一度海外に行くならどこがいい?」と聞かれたら、栗田は「もう一度ポートランドへ!」と即答することでしょう。

もし訪れる機会がありましたら、ぜひ日本食レストラン『与作』にお立ち寄りください。
『与作』の情報はこちら >> https://www.yosakusushi.com/

Photographs 



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『与作』の近くにあるホテルに連泊。部屋には「良い1日を!」とメッセージが置いてありました。

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滞在中に食べたアメリカンな食事とオヤツです。美味しいけれど、毎日食べていたら大変です。

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帰国の途へ。ロブスターの形をしたチョコレートがお土産用に売っていました。

アメリカ蕎麦旅行記も今回で終了です。お付き合いいただきありがとうございました。そして開拓舎をこれからもよろしくお願いいたします!

アメリカ蕎麦旅行記 目次

アメリカ蕎麦旅行記(1)
アメリカ蕎麦旅行記(2)
アメリカ蕎麦旅行記(3)
アメリカ蕎麦旅行記(4)
アメリカ蕎麦旅行記(5)

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本当の「アメリカらしさ」を感じる旅


IMG_0208.JPG開拓舎の栗田です。前回に続き、お付き合いいただきありがとうございます!海霧蕎麦を生産している大石農産の大石社長と私のアメリカ滞在もあと数日です。今回のアメリカ旅行に招待してくれた日本食レストランを経営する佐藤さんは、仕入れ先にも連れて行ってくれました。

また、ポートランドの目抜き通りや、船で行けるピークス島を見学したり、アイスホッケーとバスケットボールの試合を見学したりと、日本人があまり訪れることのないスポットで生のアメリカを体験してきました。その様子をお伝えします。

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ポートランドを訪れたのは、ちょうどハロウィンの時期。皆さんとっても陽気でフレンドリーです。

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避暑地として知られるピークス島、賑やかな目抜き通り、博物館など見どころがたくさんあります。

「信頼」から生まれた味に感動!


滞在中、日本食レストランを経営している帯広出身の佐藤さんに案内されてロブスターの仕入れに同行する機会がありました。ポートランドのロブスターは、養殖ではなく全て天然です。現地の方の発音では「ラブスター」と聞こえます。

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ロブスターを販売している会社の社長さんはディッキーさんという方で、佐藤さんはディッキーさんからロブスターの保管倉庫の鍵を預けられているほど信頼されています。5年前、佐藤さんに『与作』の店舗物件を紹介してくれたのもディッキーさんだったとか。

ディッキーさん「いつでも好きなだけ持っていけよ!」
佐藤さん「ディッキー、ありがとう!」

お二人の信頼関係が成り立っているからこそ、新鮮で美味しいロブスターが『与作』に入荷するのです。

『与作』で食べたロブスターは、刺身、握り寿司、スープ、どれも絶品でした。特にロブスターの刺身は今回のアメリカ旅行中、一番感動した料理です。

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アメリカのスポーツ文化から思うこと


ポーランド滞在中にボストンへ2回行き、アイスホッケーとNBAの試合を見てきました。アイスホッケーの試合は、佐藤さんのお店にロブスターを卸しているディッキーさんと一緒に観に行きました。

そこは、ボストンで一番の大学=世界に名だたるハーバード大学所有の大型スタジアムでした。アイスホッケーの試合はイェール大学との定期戦でしたが、迫力は日本のプロ並みです。

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佐藤さん曰く「これはスピリッツとスピリッツの戦いなんだ」と...。


アメリカの多くの大学には専用スタジアムがあり、高校でもスタジアムを持っている所があるそうです。さすがアメリカ、スケールがでかい!

後日NBAの試合を観に佐藤さんの運転で、TDガーデン(日本でいう横浜アリーナのような大型施設)に行きました。我々の席のすぐ後ろには、日本人の女性二人組。この試合を観るために日本から来たとのことでした。

「こんな所で日本人に会うとは、NBAの人気...恐るべし」と、ちょっと驚きました。


IMG_0089.JPGボストン・セルティックスVSサンアントニオ・スパーズの試合は、途中からの観戦でしたが、ボストンが圧勝!カイリー・アービングが大活躍し、大興奮でした。

 一緒に観た佐藤さんご自身はアイスホッケーをしていますが、バスケットボールの観戦も充分楽しんでいました。


そういえば佐藤さんの経営する『与作』でご飯を食べていると度々、様々なスポーツをしている方がチームの仲間と来店していました。アメリカ人にとってスポーツは生活の一部になっているんだ、という印象を強く受けました。

おそらく、スポーツなどでエンジョイすることも、仕事と同じくらいに大切にしているんだろうと感じました。

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佐藤さんの経営する『与作』にはユニフォームが飾ってあります。

蕎麦はアメリカで流行るに違いない!


アメリカ人はスポーツで健康を維持しているようですが、一方で食事には問題がありそうです。

IMG_0128.JPGアメリカの料理は総じて粉物が多めで、味は全体的に濃い!だからこそ、味は薄めでありながら深い味わいがあり、かつヘルシーな蕎麦はアメリカでウケるだろう!と確信しました。同時に健康に良い蕎麦をアメリカに広めようとする佐藤さんの気持ちを、今まで以上に深く理解することができました。

さて、次回は最後の蕎麦アメリカ旅行記です。旅行全体を通して感じたこと、感銘を受けたことをまとめたいと思います。

アメリカ蕎麦旅行記 目次

アメリカ蕎麦旅行記(1)
アメリカ蕎麦旅行記(2)
アメリカ蕎麦旅行記(3)
アメリカ蕎麦旅行記(4)
アメリカ蕎麦旅行記(5)

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アメリカ人の健康のために蕎麦を!

開拓舎の栗田です。前回の「アメリカ蕎麦旅行記(2)」に続き、今回はメイン州ポートランドでの印象的な出来事をご紹介します。大石農産の大石社長のお供として開拓舎の栗田をアメリカへ招待してくれたのは日本食レストラン『与作』の経営者、佐藤さんです。

IMG_0181.JPG彼は蕎麦の製粉から蕎麦打ちまでを『与作』で行い、自身の店で美味しい蕎麦を提供することはもちろん、アメリカ人の健康を考えてアメリカに蕎麦文化を広げようとしています。私達は彼の想いに共鳴し、応援しています。

 

蕎麦でつながる不思議なご縁


大石農産の大石社長と開拓舎栗田がポートランドに到着した頃、佐藤さんはちょうどウイリアムズさんが生産した蕎麦を使い、手打ちを試していた時期で「蕎麦がつながらないんだよなぁ...」と困っていました。

そこで栗田がお土産に持って行った海霧蕎麦の粉を渡しました。佐藤さんがすぐに試してみたところ、その違いは歴然としていました。
「なんでつながるんだー!!!帯広のお蕎麦屋さんの人に、こんなつながりやすい蕎麦粉を使って蕎麦を打てて幸せだな!って言っておいてくださいよ」と、佐藤さんは感動していました。

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その後、佐藤さんと私達が海霧蕎麦の粉で打った蕎麦を試食している時に、偶然日本人のご家族がやってきました。

「私達はN.Y.から来たんですが、日本の方ですよね??」と尋ねられ、佐藤さんは「そうか、わざわざN.Y.から。ちょうどいい!さっき打ったばかりの手打ち蕎麦を食べさせてあげるよ」と、手打ちの海霧蕎麦を出しました。

IMG_0192.JPG大石農産の大石社長が大樹町で生産し、開拓舎の栗田が製粉した海霧蕎麦を、ポートランドに住む佐藤さんが打ち、N.Y.在住の日本人が食べる...なんとも不思議なご縁ですね。

日本人ご家族は帰り際に「どれも美味しかったけど、蕎麦が一番でした!」と喜んでいました。その一言で、また栗田のモチベーションが倍増したことは言うまでもありません。


「お客さまに本物の蕎麦を美味しく食べてもらい健康になってもらうこと」...開拓舎と佐藤さんの夢は同じです。今現在、アメリカでは製粉から始めた手打ち蕎麦を提供しているお店は、ほとんどありません。佐藤さん自身は70歳代とは到底思えないパワフルな方で、蕎麦の事業は「人生最後の大勝負」と語っていました。

みんなでトラブルを解決


佐藤さんは開拓舎が使っている名古屋のメーカーの製粉機を購入されました。今回、大石農産の大石社長と開拓舎の栗田は、実際に購入した製粉機を拝見しました。

日本とは電圧が違う、さらにアメリカでは電圧が一定ではないとのことで、変圧器を使っていました。ほかにも日本から送られた機械を実際に動かすには、いろいろと工夫が必要だったようです。
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私達が見学しにきた際も脱皮機が故障していました。大石社長が中を調べて名古屋のメーカーに問い合わせして、結局、部品交換が必要だとわかりました。

名古屋のメーカーさんは時差を考えてアメリカの昼、日本では夜の23時ぐらいに電話をくれて大変親切にしていただきました。交換の部品を送ってもらい、現在は順調に稼働しているそうです。

課題の解決に向けて

IMG_0193.JPGアメリカ蕎麦旅行記は今後も続きますが、帰国後のちょっとした小話をご紹介します。

「ウイリアムズさんの蕎麦は水分が多すぎる」という課題は、帰国後かなり経ってから佐藤さんに状況を聞いてみたところ、収穫直後は水分が多すぎるものの一定期間保存しておくことで乾燥し水分量が少なくなることがわかったそうです。

佐藤さんは課題の解決に向け、色々と試行錯誤しているようです。さて、次回はアメリカのスポーツ文化やポートランドの魅力をご紹介したいと思います。

アメリカ蕎麦旅行記 目次

アメリカ蕎麦旅行記(1)
アメリカ蕎麦旅行記(2)
アメリカ蕎麦旅行記(3)
アメリカ蕎麦旅行記(4)
アメリカ蕎麦旅行記(5)

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十勝海霧そばとAURORA SOBAは全然違う!?

開拓舎の栗田です。前回の「アメリカ蕎麦旅行記(1)」では、蕎麦でアメリカ人を健康にしたい!とアメリカでの蕎麦普及を目指している帯広出身の佐藤さんのお話をご紹介いたしました。佐藤さんはポートランドで日本食レストラン『与作』を経営しており、そこで栗田が見たこと感じたことを中心にお伝えしています。

今回は、佐藤さんの日本食レストランに蕎麦の原料を卸しているウイリアムズさんの農場にお伺いした際のエピソードをお伝えします。

※AURORA SOBA ~『与作』で提供されている蕎麦の名前

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ウイリアムズさんの畑まで北海道人も驚く大移動!

日本食レストラン『与作』の経営者、佐藤さんに招待されアメリカにやって来た大石農産の大石社長と開拓舎の栗田は、小さな集落「リネウス」にあるウイリアムズさんの畑を見に行くことを楽しみにしていました。

予定していた日よりも早く佐藤さんが「天気が良いから今日行きましょう!ご案内しますよ」とおっしゃったので、私達は日程前倒しでウイリアムズさんの畑へ出発することになりました。

私の感覚ではウイリアムズさんの畑までの距離は、開拓舎の製粉工場がある幕別町から開拓舎の蕎麦が作られている大樹町まで(60㎞)ぐらいかな?と思っていたのですが...

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なんと片道約250マイル=約400㎞!!北海道であれば車で片道6~7時間もかかる距離です。「そんな遠いところに行って日帰りできるのか...?」

しかし、そこはアメリカの凄いところ、朝から高速道路を平均時速90マイル=145㎞で移動し、3時間半程度で到着です。こんなドライブは晴れた日じゃないとできませんよね。「天気が良いから今日行きましょう」と急に予定を変更したのは、そんな事情があったのです。

実際、その前日までは、この地域では珍しいほどの暴風雨でした。その影響で、つい数時間前まで数日間も停電していた地域があり、復旧作業のための車両も多く通行しておりました。

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道中は白樺やエゾ松など豊かな自然が......あれ?なんだか見たことがあるような懐かしいような...そう、まるで十勝平野を移動しているような景色でした!

もう少しでアメリカとカナダの国境、というところで道は曲がってウイリアムズさんの畑がある小さな町「リネウス」へ到着しました。ポツポツと見える農家の家や倉庫...集落の雰囲気が開拓舎の蕎麦が作られている大樹町とよく似ています。

ウイリアムズさんの家の前では人懐っこい4匹のワンちゃんが私達を迎えてくれました。

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ウイリアムズさんの蕎麦はビッグサイズ!

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ウイリアムズさんが来日して大石農産と開拓舎を視察して以来、約半年ぶりの再会です。

(→来日の様子は " そば耳通信【その弐】日米ソバ農家のトークは、濃くて深くてアツかった!" でご覧いただけます。)

ちょうど収穫した蕎麦から異物を取り除く作業をしている時期で、早速、選別・乾燥施設などを見学させてもらいました。

ここに、栗田がずっと疑問に思っていたことの答えがありました。

「以前、開拓舎にサンプルとして送られてきたウイリアムズさんの蕎麦は、なぜ大粒で繋がりにくかったのか。」

一昨年の秋、アメリカから佐藤さんを通して開拓舎に届いた蕎麦の実は、十勝海霧そばと比較して実がかなり大きかったのです。実が大きいと味はいいのに、つながらない...。蕎麦は本来、小麦粉などのつなぎを使わなくても、蕎麦だけで十分に「つながる力」を持っています。

開拓舎では、収穫後に蕎麦を大きい順から1、2、3、4、5と5つのサイズに分けています。ウイリアムズさんが収穫した蕎麦の8割は、開拓舎の基準における最大の「1」にあたります(海霧そばの場合は、3~4割しかありません)。

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ウイリアムズさんの話によると、その大粒の蕎麦だけが佐藤さんに納品されていました。大きいほうが良いだろう!という心遣いだったようですが...

蕎麦の実というのは層になっていて中心部分はつながりにくい性質があり、外側は粘りが強く出る性質があります。大粒の蕎麦は、つながりにくい中心部分の比率が大きくなってしまうので、ウイリアムズさんの蕎麦はつながりにくかったのです。

bigsoba2.jpgもちろん畑の環境の違いはあると思いますが、この粒の大きさがつながりにくさのネックになっている気がします。さらにウイリアムズさんの蕎麦は水分が20%と大変高い状態でした。

水分が高すぎるとそば粉を挽く時に目詰まり気味になり、あまりよくありません。日本では14%以下でないと規格に通らないのです。

佐藤さんがアメリカで美味しい蕎麦を展開していくための色々な課題が見えてきました。帰国後も、可能な限り協力していきたいと思います。

ビールをお土産に再びポートランドへ

williambeer.jpgウイリアムズさんの家で食事を頂いた後、帰り際にウイリアムズさんの畑の麦で作られたクラフトビールをお土産として頂きました。結構な量です。

ポートランドはアメリカの中でクラフトビールブームの先駆けとなった州です。地産地消を実行すべく大石社長と三日かけて飲み干しました!といっても、ほぼ栗田が飲んでしまいましたが...。

さて次回は再びポートランドへ。蕎麦をめぐる不思議な縁がありました。

 

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